はじめに
今回は福島市内でハイエンド無機クリヤー塗料を使用した事例をご紹介します。
新築時にはきれいだった外壁も、紫外線や雨風、夏の猛暑や冬の凍結など、一年を通して過酷な環境にさらされ続けています。日々の小さなダメージが積み重なることで、知らないうちに外壁の防水性能は少しずつ低下していきます。定期的な点検とメンテナンスが、住まいを長持ちさせる一番の近道です。

現地調査でわかった劣化症状
調査したところ、次のような劣化症状が見つかりました。
◆ 塗膜剥離
外壁の一部で塗膜が剥がれ、下地に雨水が浸入しやすい状態になっていました。
◆ シーリングの硬化による割れ・剥離
外壁のつなぎ目を埋めているシーリング材が硬化し、割れや剥離が見られました。雨水の浸入経路になりかねない状態です。
◆ 雨樋の塗膜剥離・チョーキング
雨樋も同様に塗膜の剥離とチョーキングが進んでおり、劣化が確認されました。


これらの症状は放っておくと、雨漏りや建物内部の腐食など、より大きな不具合につながるおそれがあります。今回はこうした劣化箇所をしっかり直しながら、外壁全体を塗り替える工事をご提案しました。
使用した材料について
シーリング材には、アステック社の「アステックシール高耐候4000」を採用しました。耐候性に優れた高耐久タイプのシーリング材で、紫外線や気温変化による硬化・ひび割れを長期間抑え、外壁の防水性能をしっかり支えてくれます。
外壁塗料は、お客様より「石目調の風合いを活かしたクリア仕上げにしたい」というご希望をいただいたため、クリア塗料の中でも耐用年数がトップクラスの菊水化学工業「ロイヤル無機αクリヤー」を使用しました。無機成分を配合した高耐候の塗料で、色を塗りつぶさずに素材の質感を残しながら、外壁を紫外線や汚れから長く守ります。
工事の流れ
1. 下地処理
塗装前の大切な工程が下地処理です。外壁の欠けや傷んだ部分に補修材を丁寧に塗り込み、平滑な状態に整えていきます。また、各部を丹念にケレン(研磨)し、新しい塗料がしっかり密着するように下ごしらえをしました。この工程を省いてしまうと、どんなに良い塗料を使っても早期の剥がれにつながってしまいます。


2. シーリング(コーキング)の打ち替え
硬化してひび割れていたシーリング材は、古いものを撤去したうえで、耐候性の高い「アステックシール高耐候4000」に打ち替えました。マスキングテープで際をきれいに養生しながら充填することで、仕上がりの美しさと防水性能の両方を確保しています。シーリングは外壁の防水において非常に重要な役割を担っており、外壁塗装と合わせて定期的な打ち替えが推奨されています。クリヤー塗料はシーリングとの相性が悪いため、今回は外壁塗装後にシーリング打ちを行っています。

3. 外壁塗装
石目調のサイディングの質感を活かすクリア塗料「ロイヤル無機αクリヤー」を、たっぷりと含ませたローラーで丁寧に塗り重ねていきます。素材の風合いを残しながら耐候性を高められるのがクリア塗装の魅力で、美観の維持と外壁の保護を両立できます。

4. 付帯部(破風板・軒天・雨樋など)の塗装
外壁だけでなく、破風板や軒天、雨樋、土台水切りといった付帯部もひとつひとつ丁寧に塗装しました。屋根の下でお住まい全体を陰から支えているこれらの部位も、外壁と同じように定期的なメンテナンスが必要な箇所です。



まとめ
外壁の劣化調査から下地処理、シーリングの打ち替え、外壁塗装、付帯部の塗装まで、一つひとつの工程を丁寧に積み重ねることで、見た目の美しさと建物を守る機能性の両方を回復させることができました。高耐候のシーリング材と、耐用年数トップクラスのクリア塗料を組み合わせたことで、素材本来の風合いを活かしながら、長期間安心してお住まいいただける仕上がりになっています。
「外壁の色が褪せてきた」「チョーキングのように白い粉がつく」「コーキングにひびが入っている」など、気になる症状がありましたら、大きな不具合になる前に一度点検されることをおすすめします。私たちも、お住まいを長く大切にお使いいただけるよう、これからも一件一件丁寧な施工を心がけてまいります。